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ワクチン健康被害救済と 二一世紀の団結権

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新型コロナワクチンによる健康被害は、国の救済制度で認められた死亡例だけでも、過去約45年間のほかのワクチンすべての合計を大きく上回っています。それでも、職場で接種した多くの人が労災として認められていません。一方、関西生コン事件では、雇用関係のない相手に向けた団体行動が「犯罪」とされ、現場にいなかった組合幹部までが「共謀」を理由に有罪とされました。
一見すると別々のこの二つの問題を、本書は一本の筋でつなぎます。力と情報に大きな差がある関係では、優位に立つ側の行為は「比例原則」の審査に服さなければならず、情報を握る側には、正当化し、開示し、検証する責任がある――この考え方です。
労働法・社会保障法の研究者である著者が、近年発表した論文5本の主張を、法律を専門としない読者にも読めるように書き改めました。さらに、訪問介護の職場を舞台とする架空の説例にもとづく総合演習を収めています。
本書の特色
・専門論文5本のエッセンスを、平易な「です・ます」体で解説。脚注は最小限に絞りました。
・各章の冒頭に「この章の要点」を、章末に「考えてみよう」を置き、学習にも読書会にも使えます。
・巻頭に「本書を読むための用語ミニ解説」を付けました(比例原則、基本権保護義務、業務起因性、証明責任、不当労働行為など)。
・第三部は、一つの長い説例をもとに、個別的労働関係法・集団的労使関係法・両者の交点にまたがる16の小問を解く総合演習です。解説と模範答案例を付けています。
こんな方におすすめ
・ワクチン健康被害の救済に関心のある方、被害者支援に携わる方
・労働組合の活動に関わる方、関西生コン事件に関心のある方
・労働法を学ぶ学生、社会保険労務士・弁護士など実務家の方
目次
はしがき
序章 本書を貫く一本の筋――非対称な関係と「応答する責任」
本書を読むための用語ミニ解説
第一部 新型コロナワクチン健康被害と法
 第1章 ワクチン健康被害は「仕事の災害」になりうるか――労災補償と「自由な意思」
 第2章 「証明できない」のか、「証明させてもらえない」のか――情報の非対称性と比例原則
第二部 二一世紀の団結権・団体行動権――関西生コン事件から考える
 第3章 労働組合はなぜ企業の中に閉じ込められてきたのか――二一世紀の団結権と日本の企業共同体主義
 第4章 現場にいなかった組合幹部は、なぜ有罪とされたのか――団体行動と「共謀」
 第5章 団体行動権を組み立てなおす――関西生コン事件の判決群を手がかりに
第三部 演習――総合問題
 説例 訪問介護の職場から――接種の要請に始まる五年間
 設問/解説/模範答案例
著者紹介
米津孝司(よねづ・たかし)
中央大学大学院法務研究科(法科大学院)教授。専門は労働法・社会保障法。ケルン大学法学博士(Dr. iur.)。
仕様
・判型:B5判
・頁数:本文88頁(前付けを含む)
・形式:〔PDFデータ/印刷製本〕
・発行:社会法出版
・発行日:2026年10月

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